財政再建 2008 7 27
今日は、週刊誌(経済誌)を取り上げましょう。
書名 週刊ダイヤモンド 2008 7 19
20ページには、このような記事があります。
「太陽光発電に1000億円投資 世界を目指す昭和シェルの思惑」
このニュースを知った時、私は、「これは大変なことだ。
将来、この会社の業態が変わってしまうかもしれない」と思いました。
太陽光発電のニュースは、最近では、ありふれたニュースになっているのに、
なぜ、驚いたか。
それは、こういうことです(以下、引用)。
「製造している太陽光発電パネルは、CIS型の薄膜系といわれるタイプで、
通常の太陽光発電パネルで使用しているシリコンをいっさい使っていないのが特徴だ。
シリコンは近年、需給がタイトになっていることから、
価格が高騰しており、メーカーにとって頭痛の種になっていた。
CIS型は銅、インジウムやセレンといった金属化合物を使用している。
使用量はごくわずかであり、シリコン系に比べて価格競争力がある。
同じ方式で商業化レベルに達したメーカーはなく、
(会社は)先行者メリットを享受できると判断したのだろう」
石油会社の昭和シェルにとって、これは、社運をかける事業となるでしょう。
しかし、同社は、将来のことを考えれば、必要に迫られた事業とも言えるでしょう。
原油高の現代において、急速に進む代替エネルギーへのシフト、
あるいは省エネルギーの開発、
さらに新エネルギーのニュースが目白押しとなっている現状では、
石油会社としては、会社の将来について、大変な危機感を持っているでしょう。
体力のあるうちに、競争力のある「新たな事業」を考えたのでしょう。
こうした石油会社の将来的な危機は、
単に、経費節減といった節約では乗り切れません。
そんなことをしていたら、会社は、やがて「じり貧」となり、
「時代の変化についていけなくて倒産」というニュースで登場することになるでしょう。
だからこそ、体力のあるうちに、
競争力のある「新たな事業」を考える必要があったのです。
さて、「日本株式会社」は、どうか。
どうも最近、経費削減に夢中になっており、
何でもかんでも予算を削ればよいという雰囲気になっています。
しかし、これは、国家の将来としてみれば、「じり貧」となっていくでしょう。
やがて、「日本株式会社」は、倒産に近づくでしょう。
経費削減や節約は、大切なことです。
しかし、それは、主婦の仕事です。
日本国には、主婦しかいないのか。
政治家も官僚も、主婦の発想しかできないのか。
日本国には、一家の主(稼ぎ手)は、いないのか。
昭和シェルは、将来のことを考えて、
体力のあるうちに、社運をかけて、競争力のある「新たな事業」に乗り出す。
日本国は、どうして、こういう発想ができないのか。
日本が国際競争力において優位に立っている分野に、
国運をかけて、大金をつぎ込む。
そういう発想が、ぜひとも必要です。
それが、財政再建への近道となるのです。
今のやり方では、長期的には「じり貧」となり、国が傾くでしょう。